六年前のホール&オーツの来日の時は、
チケットを買っていたのに、身内の不幸で見に行けなかった。
その前の来日の時も、
いい席を確保していたのに、体調をくずして入院してしまった。
今回の大阪グランキューブのライブは本当に久しぶり。
最後に見た日から10年以上経っていると思われる。
会場に行ってまず驚いたのは、
見に来ている客の半分以上が男性だということ。
年齢層が40代50代というのはうなずけるが、
ホール&オーツのライブといえば、ほとんどが女性客だったはず。
一体いつから逆転したのだろう。
でも、かっこよく歳を重ねるダリルとジョンを見ると、
昔を思い出したおじさん達が、
ぞろぞろやって来るのも無理ないかもしれない。
二階席の一番前から、野鳥観察用のでっかい双眼鏡で鑑賞。
やった、二人の真っ正面だ。
よく見える、よく見える。
「マンイーター」から始まり、超ヒットパレード。
ファンの私でさえ、このヒット曲の多さに感心してしまうほど。
曲はみんなスローにアレンジされ、
渋ホール&オーツという感じか…。
ギターのG・E・スミスや、
ドラムのミッキーはいなかったけど、
チャーリーは、
かわいいおじいさんになってサックスを吹いていた。
…やはりベースのT-Boneの姿はない。…さみしいなあ。
一階席は総立ち状態。
中年ファン達もがんばっている。
でも一曲でいいから、
夢中になって歌いまくり踊りまくるダリルの姿が見たかったなあ。
年齢的に、
スタンドマイクを持つのは、もうきついのだろうな。
ジョンは今だに若々しいが、
60歳を越えたダリルは腹も出ているし、
何か体が重そうで、あまり動かず…。
もしかして腰が痛いのに無理しているのでは…と、
本気で心配してしまった。
でもあの滑らかな歌声は健在。
歌を最優先して、
最近は体を動かすのを控えているのかもしれない。
音響装置の具合が悪かったらしく、
(スタッフさん、ちゃんと調整しといてよね!)
しきりに横を向いて指示を出しながらも、
ヒット曲を完璧に熱唱する姿は、貫禄を感じさせた。
今回のライブで一番印象的だったのは、
初期のレアでシンプルな曲、
「ラスヴェガス ターンアラウンド」を
二人でハモリながら、本当に気持良さそうに歌っていたこと。
この時は、プロ意識も捨てて、
心底素直に歌を楽しんでいたのかもしれない。
何だか、とてもひしひしと伝わった。
そして、ダリルが長年連れ添う恋人、サラへのラブソング。
ダリルの歌う「サラスマイル」は、何回も聴いたけれど、
今回のは、なにか哀しげで…、とても懐かしむような…。
二人に何かあったのかと、
ライブの後もずっと気になっていた。
予感は的中。
サラはダリルの元を去って行ったらしい。
やっぱり「歌」って伝わるんだな。
私としては、ずっと一緒にいてほしかったけれど。
そして、第三のホール&オーツと言われ、
長年彼らと一緒に音楽活動をしていた
ベースのT-BoneWolkの死去。
ダリルとジョンの悲しみは計り知れないものだったと想像する。
ダリル自身も、しばらく闘病していたようで、
私が知らないうちに色々あったんだなあ…と胸が痛くなった。
今回のヒットパレードライブも、
彼らにとっては、感慨深いものだったにちがいない。
彼らの音楽活動を集大成した4枚組のCDも発売され、
40年近く続いているホール&オーツも、
ファミリーの変化などにより、
ある意味でいったん幕を閉じた、というか、
一区切りついたのかもしれない。
もちろん、
また、二人は新たに歩き続けているのだけれど…。
おじいさんになっても、
がんばっているであろうダリルとジョン。
二人の絆と軌跡に感動する。
久しぶりのライブ楽しかったなあ〜。
ああ、もう一回ライブ見たいなあ。
次に来日してくれるまで、
私もがんばって歳を重ねていようっと。
今回のツアータイトルは、彼らの古い隠れた名曲より…
DO WHAT YOU WANT,
BE WHAT YOU ARE TOUR2011
やりたいことをやればいい、
でも、あるがままのきみでいて。