私を沖縄の久高島に導いてくれたのは
「ポランのひろば」というペンションです。
大阪の関西沖縄文庫にふらりと立ち寄ったあの日、
文庫の人に沖縄情報をたくさんおしえてもらったのですが、
心に強く響いたのは「ポランのひろば」だけでした。
心身共に疲れ果て、
リハビリ用に絵本の作品をひとつ、つくりたいと思っていた私は
「ここに行こう」…となぜか迷いなく思いました。
格安チケットを買ったので、那覇に着いたのは夜でした。
その日の宿泊先も、ビジネス風の格安ホテル。
「寝るだけだからいいや」と思ったのですが、
その部屋には…窓がなかったのです。
狭い部屋にベッドとTVと私だけ…。
空気も悪く、辛く怖い夜を過ごしました。
翌日の、知念半島へ向かう南のバスの中でも、
この行き先がどんなところか
不安で不安でしかたありませんでした。
バスを降りると、この景色が広がりました。
赤い屋根が「ポランのひろば」です。
木造の暖かな部屋、
眼の前に広がる美しい海、
気持ちのいい空気。
なぜか、「あぁー、やっと見つけた。」という思いがあふれ、
うれしくてうれしくて涙が出ました。
「ポランのひろば」のバルコニーからは久高島が望め、
美しい朝陽を拝むことができます。
ペンションの裏には斎場御嶽が広がり、
周辺には聖地が点在します。
短い滞在でしたが、
久高島を歩き、聖地を散策し、
気持ちの良い空気に棲み、
心も体もリセットされた気分でした。
朝陽はやさしく美しく輝き、
何だかとても満ち足りて、
うれしくてうれしくて仕方ありません。
とてもパワフルになりました。
さあ、早く大阪に帰って絵本を創ろうと思いました。
ストーリーはすっかり出来上がっていたのです。
☆ポランのひろばは、
タムタム草紙の「癒しの場所」で詳しく紹介しています。